地球の温暖化や森林伐採などの環境破壊など、近年地球環境に対する問題は日々深刻になりつつあり、世界中で最大の関心事となっています。このような状況の中で組織(企業)は、単に顧客や市場のニーズに応えた製品やサービスを提供するだけではなく、地球環境にも配慮した活動を展開していくことが社会的な責任となってきています。ISO14001:2004は、組織(企業)が市場経済原理に基づいた活動(より利便性の高い製品やサービスを提供しようとする活動)と、上記の社会的責任とのバランスを保ちつつ、地球環境の保全及び汚染の予防を継続的に推進していくためのマネジメントシステム(管理の仕組み)を提供します。ISO14001規格要求事項は、P(計画)→D(実行)→C(検証)→A(改善)というマネジメントサイクルを根底においています。

ISO14001規格要求事項は、環境マネジメントを展開するための手段を規定しています。従ってこのマネジメントシステムの導入・構築、運用の仕方によって、業種や規模だけでなく、同業種・同規模の組織間でも取り組むべき課題は異なることがあり、さらには同じ環境課題に取り組んでもそのパフォーマンス(成果)は異なることがあります。組織(企業)は、社会的責任と経済的ニーズのバランスを考慮しつつ、環境に対する方針及び目標を構築することができるのが大きな特徴です。また、2004年版での改訂では組織(企業)の関連する法規制(及び関連する要求事項)に対するコンプライアンス(法遵守)がより一層強く要求されています。自らが関わる法規制(及び関連する要求事項)をピックアップし、そのコンプライアンス状況を定期的に検証することが求められています。組織(企業)はコンプライアンスを根底にした環境マネジメントシステムを導入・構築、運用、改善することで環境に対するリスクをコントロールすることが可能になります。また、認証機関による認証に受けない自己宣言を適用することも可能です。

ISO14001 を導入・構築し、運用、改善をしていくこと、及び認証機関(第三者機関)からの認証を受けることにより、以下のようなメリットが生まれます。
・ 地球環境問題に対するリスクヘッジ
・ 競合他社(他組織)に対する優位性
・ マネジメントサイクル(PDCA)の実行、定着
・ 環境という切り口で見た業務改善(生産性向上)のきっかけ
・ 顧客を含む利害関係者に対するイメージの向上