ISO22000
Outline
人が日々口にする食品は安全性(細菌による人体への悪影響)という問題に止まらず、昨今では産地の問題、表示の問題、アレルギーの問題など、多様化しており、食品に関わる組織(企業)では、そられ全ての問題に対応していくことが求められています。また、これらの問題は直接食材を製造する組織(企業)-農業・酪農や水産業、食品メーカー、外食産業や給食業など-だけでなく、流通業、小売業、食材を製造する機器メーカー、食品の梱包材メーカー等、フードチェーン全体で取り組むことが必要です。 ISO22000:2005は、HACCP(コーデックス委員会=FAO/WHO合同食品規格委員会が作成した食品の衛生管理手法)をベースにした食品安全衛生マネジメントシステム規格で、フードチェーンに関わるあらゆる業種の組織(企業)で取り組むことが可能です。組織(企業)が抱える食品安全ハザードを明確にした上でそのハザードを取り除くための管理手段を講じるといった食品安全を実現するために必要なマネジメントシステムを提供します。ISO22000規格要求事項は、P(計画)→D(実行)→C(検証)→A(改善)というマネジメントサイクルを根底においています。
Character
ISO22000規格要求事項は以下の4つのポイントがあります。
1つ目はフードチェーン全体での取り組みを意図している点です。例え食品安全衛生に優れた工場で生産された食品でもその流通過程の管理がずさんであれば、消費者が口に入れる時点で細菌などに汚染されてしまう可能性もあります。ISO22000を導入する組織(企業)ではフードチェーンの上流・下流との適切なコミュニケーションが必要です。
2つ目はマネジメントシステムであることです。ISO9001規格要求事項の考え方の一部が盛り込まれており、仕組みによる安全衛生の確保が求めれています。
3つ目は組織(企業)毎に前提条件プログラム(PRP)を構築することが要求されている点です。食品の安全衛生に関する基本条件及び活動を明確にすることが必要です。
4つ目は HACCP(食品の衛生管理手法)の原則(7原則 12手順)が含まれている点です。組織(企業)は食品の安全衛生に対するハザード分析の結果、ハザードを除去するか許容レベルに低減するための管理をオペレーションPRPで行うか、HACCPプランで行うかの選択をします。また、ISO22000は、審査登録機関による審査登録(認証)に受けない自己宣言を適用することも可能です。
Benefit
ISO22000 を導入・構築し、運用、改善をしていくこと、及び認証機関(第三者機関)からの認証を受けることにより、以下のようなメリットが生まれます。
・ 食品の安全衛生に対するリスクヘッジ
・ 競合他社(他組織)に対する優位性
・ マネジメントサイクル(PDCA)の実行、定着
・ 食品安全衛生という切り口で見た業務改善(生産性向上)へのきっかけ
・ 消費者に対する安全イメージの付与